ブラック企業はなぜ生まれる?

 

ヤーサス(Γειά σας)

そもそもお給料を払わない会社が「ブラック企業」というギリシャの概念に驚愕する楽々です。

世界にも驚くべきブラック体制が存在するようですが、日本におけるブラック企業に劣悪ぶりはやはり顕著なようです。

労働者をむしばむブラック企業なるものが、なぜ生まれてしまうのでしょう。

 

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ブラック企業はなぜ生まれる?

ブラック企業が生まれてしまう理由は、多くのサイト様で語られているところですが、だいたい下記のような内容に集約されるかと。

景気の悪化

右肩上がりに成長し続けた日本経済ですが、バブル崩壊を契機にそれが止まり、企業はコストカットに走らねばならなくなったのは、よく知られているところかと。

それで何をしたかというと、賃金のカット。上がり続けていた業績が伸び悩む中、利益を確保せねばならんという状況であれば、まずは従業員に支払うお金を減らしましょうと。

働き続ければお給料が上がる終身雇用制度の廃止、いつでも切れる派遣社員の雇用を増やすなど、企業はあの手この手で不況を切り抜けようとしますが、その波はなかなか止みません。

そうした中で疲れた企業は、不法な労働で従業員から搾取するなど、楽するようになり、ブラック企業と化してしまうというわけですな。

家族経営

家族経営する会社は、一族の利益を優先であり、規模も小さいので社員全員の幸せを考える余裕がなく、ブラック化する傾向が強いです。

兄弟が社長を務め、店舗のオーナーはその息子たちという飲食店でアルバイトをしたことのあるワタクシですが、なかなかのブラックぶりでした。

シフトというものは存在するも、ヒマな時は休憩という形で待機させられ、忙しくなった時のみ時給が発生。5時間拘束されるも、時給が発生したのは30分だけという日がある酷い有様。

若い頃は、使われて当たり前という考え方に陥ってしまうのですかね。あり得ない働き方をしていたなと、今考えれば不思議に思うばかり。

多すぎる中小企業と多重請負構想

これは個人的な考え方になりますが、中小企業が多すぎるというのも、ブラック企業が生まれる温床になっているのではと。

小さな企業は孫請け、ひ孫請けと、受注額が抑えられてしまう傾向にあります。すると、払える賃金が安くなるわ、納期もキツくなるわで、低賃金・長時間労働で運営せざるを得なくなると。

大企業様はもっともっと小さな企業を吸収合併し、内製化で業務を進められる体制を取ればと思うわけですが、大きすぎる組織というのも問題なんでしょうな。

「デカ過ぎる組織は動きが遅くてやってられん」→「独立して会社を興す人が続出」→「その会社がブラック化」⋯⋯と、吸収して大きくなり過ぎても、結局解体するというオチになりそうで。下へ行けば下へ行くほど賃金が安くなるという、多重請負構想が生まれない仕組みを何とかして変える必要がありそうですな。

 

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ブラック企業はなぜ潰れない?

労働者を搾取するブラック企業は潰れて然りかと思うのですが、なぜこうも延々と生き続けてしまうのでしょうか。

需要があるから

先にも申し上げましたが、大企業が内製で仕事を完結できず、下請けに仕事を丸投げせざるを得ない事情があります。下請けとなるのは中小企業であり、大企業様にとっては必要不可欠の存在です。

大企業にホワイトな環境が多いことは認めざるを得ないところですが、そんなエリート様方の優雅な就業環境は、多くのブラック企業社員たちの酷使によって支えられているわけで。

人は生まれながらにして平等などと、どっかの国の憲法では謳ってますけど、どの時代も階級的なものは存在するのです。この構造的な問題に着手せねば、ブラック企業が消えてなくなることはないでしょうね。

労働者が洗脳されてるから

労働者自身もブラック企業を生み出す要因となる大きな闇を抱えています。それは、労働者自身が搾取を我慢できる体質を身に付けていることです。

日本に生きる人であれば、誰もが義務教育として学校に通ったことがあることでしょう。そんな日本の学校教育が何を教えているかと言えば、我慢体質を擦り込む、組織の歯車になる為のお作法を身に付けさせることに他なりません。

一部の支配階級が利益を貪ることが出来るよう、多くの国民は子供の頃から洗脳を受けます。そうすることで、労働者たちは理不尽な会社の要求に耐え、こき使われることが当たり前と思うようになります。

ブラック企業が延々と存在できるのは、酷使されることを疑問に思わない労働者自身にも問題があると言えそうです。

政府が思考停止しているから

産業革命以降、人間の生産能力は著しく向上しました。その主役となるのは機械であることは、語るべくもないことでしょう。

そんな機械を使った大量生産を成し遂げていく上で重要となるのは、決まったことを延々と繰り返すことが出来る労働者の存在です。工場で機械とひたすら睨めっこする労働者を生み出す為のカリキュラムが、産業革命時に生み出された学校教育であり、それが今の日本に引き継がれています。

明治維新やら戦後の復興において、その教育制度は日本の発展に大いに役立ってきましたが、モノが溢れて新しい何かを生み出す為の想像力が必要とされる今の日本に、機械的な作業をひたすらこなす為の教育は、ただの足かせです。

欧州からパクってきた制度を100年以上も改めることなく、時代にそぐわないと気付かない日本政府、とりわけ文科省の思考は停止していると言わざるを得ません。

教育の在り方を根本から変えないと、ブラック企業の蔓延はおろか、日本の衰退は免れないと危惧する次第です。

 

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ブラック企業をなぜ辞めない?

そんなこんなで、結局のところ日本政府の批判に走ってしまうワタクシですが、洗脳教育を受けることで、ブラック企業に勤めていても嫌な顔ひとつせずに働き続けられることの出来る人は、それはそれで成功者だと思うのです。

洗脳教育で完全なる奴隷になり、幸せを感じることが出来る。それが実感できる人は、それはそれで成功者の一人であり、賢い生き方のひとつと認めるべきかと存じます。

IT業界の下請け企業で酷使されていた頃、転職を口にする私を疎い目で見て、会社への愛をひたすら示す同僚がいました。疑問を感じて多くの人が辞めていき、入れ替わり立ち替わりの激しい会社でしたが、そんな会社でも嫌な顔ひとつせず貢献しようと思う心は、実に目を見張るべきことです。

奴隷になり切れない多くの人

ただ、そんな人間は一握りだとも思うわけで。

多くの人は奴隷になりきれません。だから、こんなサイトに辿り着いてしまうのです。辛いんだったら辞めてもいい。あなたは洗脳されてるだけで、まずはそれに気づくことが大事です。

ちなみに、労働条件ならIT業界は多少マシですよ。

 

 

残業代はフルで出ますし、社会保障やら福利厚生もちゃんとしてるところが多いです。仕事量やら人間関係は、会社によりけりですけど、少なくとも生活が困窮することはないかと。

とにもかくにも、今の世の中、選択肢は多くあります。今の環境が辛いと思うなら、楽な環境に逃げましょう。あなたを本当の意味で受け入れてくれる環境が、必ずどこかに存在します。

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